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イーオン・フラックス オリジナル・アニメーション
Interview [インタビュー]

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InterviewerPeter Chung
作品の“コンセプト”とキャラクターの“動き”
Interviewer Q1:「イーオン・フラックス」は全編ともとてもユニークな作品ですが、その中でも「動き」の繰り返しと変形で「音楽」のように作られたエピソードが印象的です。本作を始めたときのコンセプトを教えてください。
Peter Chung 芸術作品というものは、観る者が生きている時代や文化に対する考え方に、永続的な影響を及ぼすものだと思うんです。そして、文化とは周囲の環境をどう描写するか、そして自分自身をどう描写するかによって定義付けられるもの。私を突き動かしたのは、現代人が持つ通念に良い影響を与えられるかもしれないという可能性だったんです。イーオン・フラックスの場合は特に、個人的な利益の追求や、欲望に対する心理的な駆け引きという形で、社会紛争や政治紛争を表現したかったんです。メディアがこぞって取り上げる“善と悪”。この両者を純粋に対立させた“勧善懲悪”的な倫理性の典型のようなものや、国家主義論という形ではなくね。

それ以外にも、同じような物語を何度も見続ける事にうんざりしてしまって、馴染みのあるお約束ではない物語形式を試してみたかったんです。映像作家として最も困難であり同時に最も喜びを得られるのは、観客を彼らには馴染みの無い思考の流れにいざなう事なんです。感情をひきつけるように作られた場面を見せながら、同時に観客の頭の中で新しい達成感を次々と感じさせたい。それが、映像を観る時に私が望む体験であり、映像を通して観客から引き出したい反応なんです。
Interviewer Q2:イーオンを中心としたキャラクターの動きもとても魅力的です。本作の人間たちの手足の動きはものすごく速いうえ、人間よりも昆虫や機械を思わせるような動きをよくします。イーオンはカエルのような姿勢をよくしますし、昆虫と人間が合体したようなキャラクターもしばしば登場します。こうした人間的ではない特殊な動きはアニメならではの魅力を追求したときに生まれたものですか?
Peter Chung あのスタイルは、実物の性質を描写する事よりも、登場人物の内面を表現しようと試みた結果なんです。静止画であれ映像であれ、描かれたものからそれを描いた人の内面の反映を打ち消すことはできないと思っているんです。アニメーターの絵よりも俳優の実写撮影の方が自然な動きを表現するのにはるかに効率的な事は明らかですよね。それに反して、アニメーションは登場人物の内面をもっと直接的に表現したり、感情の強烈さを伝えたりする事が出来る。運動選手やダンサーは、たとえある動きをしたいと望んでも、身体的な制限から不可能な時がありますよね。私が思う“登場人物”とは、正確な動きを通して内面を観客に伝えなければならないダンサーなんですよ。ダンサーの演技を見る時、その動きが平均的な人間のありふれた動きを再現するとは誰も予想しませんよね。もしそうだとしたらガッカリしてしまう。それと同じことがアニメーションの登場人物に関しても言えると思います。
Interviewer Q3:昆虫的なイメージがお好きですか?イーオンのまつ毛とハエの映像がものすごく印象的です。イーオンのまぶたが食虫植物のように見えます。それに、昆虫を思わせる生物や卵のようなものがよく登場するように思います。
Peter Chung 昆虫のイメージをそれほど意識的に選んでいたかはわからないけど、もっと大きな意味で、私が意識的に伝えたかったのは、細密なスケールで起こっている出来事の重要さなんです。芝居がかった大規模な演出を使って、重要さを示唆しようとする映画が多いけど、逆に自分はもっと微小な詳細を見せるシーンにひかれることが多いと分かったんです。

例えば、地面に落ちている歯や爪なんかだったり、口や目の中で起こっている出来事だったり。カメラが細部に焦点を合わせると、もっと近くで調べたくなって前のめりになる。大規模な物になると、体を後ろに反らしてむしろ傍観者になってしまう。

私はピクサーの「バグズ・ライフ」の大ファンなんです。特に惹かれたのは、昆虫の詳細綿密な分析が徹底されていたことでした。他のどの種類の生き物も持っていないような機能を、彼らは視覚的に具現化していたんです。彼ら虫たちは、その“デザイン”によって多くの役目を果たしていたんですよ。デザイナーの見地から、「バグズ・ライフ」にはかなり感化されましたね。
Interviewer Q4:イーオンが別の人物と舌をからませながら口の中で小さな物体を交換する場面や、身体の中に入っていくと別の世界があるといった場面など、内臓的なイメージも強烈です。こうした場面のなめらかな曲線がとても強烈で、セル画のアニメなのに、内蔵の触感や粘着力まで感じさせます。この表現はどこから生まれたのですか?
Peter Chung 目の前の壁を取っ払う時、私はよく詳細に神経を集中するようにするんです。そうすると、観客は私的で禁じられた場所に入ったような感覚を覚えるんですよ。実際に俳優をそのように見つめると、プライバシーを侵害しているように映るでしょうね。さっきも言ったように、私たちはアニメーションが与えてくれる自由を利用すべきだと思うんです。実際に俳優にやらせると、不可能だったり現実味が無くなってしまったりする場面や動作などを用いることによってね。文学作品は、登場人物の持つ極めて個人的で率直な思考過程を垣間見るのが面白い。しかし、映画は視覚的媒体なので、同じくらい深い内面に観客をいざなうような手段を、物理的なものの中から見つけなければならないんです。だから、映画のストーリーには現実世界には不釣り合いな性描写や暴力描写が含まれてしまうんですよ。

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