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ローマの休日 製作50周年記念デジタル・ニューマスター版 イントロダクション



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Introduction


アメリカン・フィルム・インスティテュートが2000年に発表した“アメリカが生んだ最も素晴らしいラブストーリー ベスト100”の第4位に選ばれ、世紀を超えて世界中の人々に愛され続けている恋愛映画の最高傑作。あの『ローマの休日』の“デジタル・ニューマスター版”が、製作から50周年を迎えた今年、日本の劇場で世界初公開される!

この映画によって、無名の女優からハリウッド伝説のスターになったオードリー・ヘプバーンの主演、観光ガイドとしても楽しめるローマの美しい風景など、魅力を数え上げていくとキリがないが、この映画が数十年にわたって観客を強く魅了してきた最大の理由は、ウェルメイドなラブストーリーとしての完成度の高さである。

主人公のふたりは、最後の最後まで告白めいたことは一度も口に出さない。それでいて映画を観ている私たちは、ふたりが体験する胸のときめき、一緒にいるときの安心感、相手を思いやる気持ち、別れる時の身を切るようなせつなさなど、美しい恋愛のエッセンスを凝縮させたような、さまざまな感情を共に感じることができる。

身分違いの恋という設定のためか、夢のあるおとぎ話と評されることの多い『ローマの休日』は、その甘く楽しげなロマンティックコメディの顔の奥に、大人への通過儀礼や、孤独と向き合う覚悟といったテーマまでもをさりげなく隠している。無邪気な少女時代にブラウン管の中で見たときは「こんな恋がしてみたい!」と素直に憧れた映画を、「人生はままならぬもの」と知った今、もう一度観たときにどう感じるのか。観るたびに新たな共感を呼び起こす真の名作は、ときに自分の成長を気づかせてくれる合わせ鏡のような存在でもあるのだ。

また、最新のデジタル技術によって画像処理を施した今回の“デジタル・ニューマスター版”では、古いフィルムの劣化した部分に、気の遠くなるような細かい修復作業を加え、明るさやコントラストなどを全般に補正。これまで私たちが目にしてきたものよりも、はるかに鮮明で美しい映像を取り戻し、当初ウィリアム・ワイラー監督が意図した通りの作品へと見事によみがえった。モノクロ・プリントだからこその洗練された雰囲気や、『ローマの休日』の大きな特徴ともいえる、役者たちのクローズ・アップ場面のみずみずしさ、生き生きとした表情を心ゆくまで堪能できるようになっている。

クローズ・アップにはオードリー・ヘプバーンの美貌を際立たせることはもちろん、登場人物たちの心の動きを、そのままスクリーンに映し出すという重大な意味がある。オープニングの舞踏会の場面でのオードリーも清楚な美しさをきらめかせているが、クライマックスとなる記者会見での彼女の表情には、凛とした大人の女のオーラがあふれている。髪型や服装とは別の、王女の内面の微妙な変化をカメラはしっかりとらえているのだ。

物語のラスト、グレゴリー・ペック演じる新聞記者ジョーとオードリー・ヘプバーンのアン王女は、万感の思いをこめて見つめ合う。ふたりの表情と視線だけで、お互いへの想いや信頼感が、痛いほど伝わってくる名場面だ。余計なセリフやアクションを使わず、クローズ・アップの表情だけで、すべてを語ってしまう役者の演技力、ひいては監督の演出の神髄がここにある。

アメリカでこの映画が公開された1950年初頭の古きよき時代、休日に映画館へ行き、お目当ての映画を観るという行為は人々にとって大きな娯楽だった。暗くなった劇場の椅子に深く身をうずめて、大好きな人と一緒に、銀幕に映し出される夢の世界に入り込む――という映画本来の醍醐味をたっぷり味わってほしい。


[ 受賞歴 ]
  • 第26回アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞
  • 第26回アカデミー賞最優秀脚本(原案)賞受賞
  • 第26回アカデミー賞最優秀衣装デザイン賞受賞
  • 1954年イギリスアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞
  • 1954年ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞受賞
  • 1954年ニューヨーク批評家協会賞最優秀主演女優賞受賞
  • 第6回全米作家協会賞 最優秀全米脚本(コメディ)賞受賞
  • アメリカン・フィルム・インスティテュート100周年記念 恋愛映画ベスト100 第4位
  • 100万人の映画ファン投票「わが青春の一本」 第1位(1990年) NHK&JSB衛星映画マラソン365共同事務局編
  • 100万人の映画ファン投票「わが心のスター」 オードリー・ヘプバーン 第1位 NHK&JSB衛星映画マラソン365共同事務局編
  • 映画人・著名人が選んだわが青春の映画ベスト109本 第7位(1990年) NHK&JSB衛星映画マラソン365共同事務局編
  • 外国映画史上ベスト10 第6位 「キネマ旬報」(1989年)
  • 大アンケートによる洋画ベスト150 第13位 (文藝春秋編)

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